響きのエクリチュール
～グレゴリオ聖歌から近現代まで　教会音楽の千年記～

今から約千年前、修道士グィド・ダレッツォは記譜法とドレミ唱法を編み出しました。人々が声を合わせるだけでなく、重ねる美しさに喜びを見いだし始めたのと時を同じくして、口伝えによって歌い継がれてきた音楽は楽譜に記録されるようになり、数多くの作品が後世に残されました。千年にわたって書かれてきた「声」の芸術を、「現代の空間に並べてみたらどんな響きがするのだろうか？」という素朴な発想は、私たちにダイナミックな視点を与えてくれました。いにしえの響きは時を越え、近現代の音楽と響きの美しさという点で呼応しあい、普遍の響きが現代にも脈々と受け継がれていることを教えてくれます。今回ご紹介できるのはその一端に過ぎませんが、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールの豊かな響きと共に、声の芸術を存分にお楽しみいただけることでしょう。