主催公演
注目アーティスト
パトリツィア・コパチンスカヤ ヴァイオリンリサイタル
2023 3/19(日)
15:00開演
慈悲深く残酷な天使は今、何を奏でるのか?
白い羽を持った天使か?それとも黒いマントを被った悪魔か?コパチンスカヤの演奏を観る(敢えて“観る”と表現してみます)とふとそんな事を想います。彼女の演奏は非常に演劇的であり、過剰で混沌とした音の渦からは反目する感情が立ち昇り、異形の心象を映し出すのです。
コパチンスカヤと言えば、エキセントリックともいえる独特の音楽的解釈、ダンスをするかのような裸足での演奏、バルトークを中心とした東欧世界の音楽を積極的に取り上げるなど、他のヴァイオリニストとは常に一線を画す存在です。最近では、シェーンベルク「月に憑かれたピエロ」の演奏において、ヴァイオリンパートではなく歌唱パートを担当し、これまでにない斬新な作品世界を創り上げ、世界の度肝を抜いたのも記憶に新しいところです。
そんな彼女が今回タッグを組むのは「月に憑かれたピエロ」でも共演したヨーナス・アホネンです。アホネンのピアノはコパチンスカヤの独創的な演奏に完璧に寄り添うことができるだけでなく、真っ向から対峙するかのような荒々しさも兼ね備えており、今のコパチンスカヤとの組み合わせとして最高のピアニストであるのは間違いありません。
プログラムはベートーヴェンの偉大なる2曲のソナタと、それを挟むようにして演奏される20世紀に作曲されたシェーンベルクとウェーベルンのヴァイオリン作品。一見すると時代の対比を描こうとしているように思えますが、そう単純なものではなく、敢えて並列に配置することで時代性を超えた新たな音世界を描いてみせようという想いを感じます。そこにユートピアを夢見るのか?それともディストピアか…?
果たして慈悲深く残酷な天使/悪魔は、何を描きどんな演奏を魅せてくれるのでしょうか。今から楽しみで仕方がありません。
出演 | パトリツィア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン) |
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曲目 | ▼シェーンベルク:幻想曲 op.47 |
座席 |
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料金
完売
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一般/¥6,000(友の会会員/¥5,400)
●チケット完売のお知らせ【3/14更新】 チケットは前売分、再販売分、ともに完売いたしました。
●価格は税込みです。 |
発売日 | 2022年11月22日(火) |
主催 | あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール |
協賛 | 鹿島建設株式会社 サントリービバレッジソリューション株式会社 |
問い合わせ先 | ザ・フェニックスホールチケットセンター 06-6363-7999 (平日10:00~17:00 / 土日祝 休業) |
備考 |
●未就学児のご入場はご遠慮いただいております。 |
出演者について
パトリツィア・コパチンスカヤ (Patricia Kopatchinskaja/ヴァイオリン)
モルドヴァ生まれ。作曲とヴァイオリンをウィーンとベルンで学ぶ。2000年シェリング国際コンクール優勝、02年「クレディ・スイス・グループ・ヤング・アーティスト賞」ほか受賞多数。世界各地の音楽祭からも数多く招かれ、ルツェルン、ザルツブルク、ウィーン芸術週間、ロッケンハウスなどに出演。コパチンスカヤが音楽監督を務めた18年のアメリカのオーハイ音楽祭では、ルツェルンでの世界初演に続き、自身が構成したコンセプチュアルなステージ・プログラム《ディエス・イラエ》を上演し、好評を博した。録音としては、14年よりアーティスティック・パートナーを務めるセントポール室内管弦楽団との共演による「死と乙女」で18年のグラミー賞を受賞。使用楽器は英国の『The Strad』誌で「色鮮やかな音色を持つ楽器。そのヴィオラのような性質は彼女の演奏に格別な喜びを添えている」と評された、1834年製プレッセンダ。
https://en.patriciakopatchinskaja.com/
ヨーナス・アホネン (Joonas Ahonen/ピアノ)
ヨーナス・アホネンはフォルテピアノによる18世紀後期作品の演奏から現代作品の世界初演まで幅広い音楽的関心を持ち、現代曲の代表的な演奏団体のひとつでもあるクラングフォルム・ウィーンや、ピリオド楽器を用いて古典派やロマン派の作品を演奏するロードベリ三重奏団のメンバーとして活躍。テオドール・クルレンツィスが主宰するディアギレフ・フェスティバルでは、リサイタルの他にフィリップ・マインツのピアノ協奏曲を演奏した。パトリツィア・コパチンスカヤとはロッケンハウス音楽祭やウィーン・コンツェルトハウスなど世界各地で演奏を行っている。多くの録音も行っており、アイヴズのピアノ・ソナタを収録した2枚組などが発売されている。
https://joonasahonen.com/