主催公演
レクチャーコンサート
ピアノ三重奏の歴史 vol.3
追悼するロシア:悲喜交々のピアノ三重奏曲
2025 12/20(土)
15:00開演

追悼音楽でありながら、対照的な性格を持つ両作品。親友を亡くした2人の作曲家が、その現実をどのように消化しようとしたのか、音楽の中から読み解く。
著名な人物が亡くなると、各種メディアに追悼文や声明が寄せられます。同様に、音楽の世界でも「死」に応答するかたちでさまざまな作品が生まれてきました。とりわけロシアには、追悼音楽としてピアノ三重奏を作曲する伝統があると言われています。 今回演奏されるチャイコフスキーとショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲は、その代表例として挙げられることの多い作品です。どちらも、親友の死という共通のきっかけから書き上げられたものですが、その音楽の雰囲気はかなり異なっています。真っ先に思い浮かぶ要因は、年代や作曲スタイルの違いという単純明快なものです。しかし、おそらくより重要なのは、作曲家には二つの対照的な課題――親友の死と向き合い消化するという極めてパーソナルな作業と、作品を発表するというパブリックな行為――が突きつけられ、心理的な葛藤やせめぎ合いの結果として作品が生まれたのだ、ということです。もしくは、作曲という行為自体が死と向き合う作業だった、と言えるかもしれません。演奏会当日は、こうした問題について考えながら、二人の作曲家による「追悼音楽」の違いを聴き取っていただければと思います。
(松井拓史)
出演 | 郷古廉(ヴァイオリン) |
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曲目 | ▼チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 op.50 |
座席 |
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料金 | 一般/¥4,000
●価格は税込みです |
発売日 | 2025年07月18日(金) / 友の会先行発売:7月12日(土) |
主催 | あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール |
協賛 | 鹿島建設株式会社 サントリービバレッジソリューション株式会社 |
問い合わせ先 | ザ・フェニックスホールチケットセンター 06-6363-7999 (平日10:00~17:00 / 土日祝 休業) |
備考 |
●未就学児のご入場はご遠慮いただいております。 ●都合により出演者、曲目などが変更になることがございます。 |
出演者について
郷古廉(GOKO Sunao/ヴァイオリン)
2013年ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクール優勝ならびに聴衆賞・現代曲賞を受賞。1993年生まれ。宮城県多賀城市出身。2007年12月のデビュー以来、各地のオーケストラと共演。これまでに勅使河原真実、ゲルハルト・ボッセ、辰巳明子、パヴェル・ヴェルニコフの各氏に師事。使用楽器は1682年製アントニオ・ストラディヴァリ(Banat)。個人の所有者の厚意により貸与される。2024年4月、NHK交響楽団第1コンサートマスターに就任。2025年1月よりみやぎ絆大使に就任。
水野優也(MIZUNO Yuya/チェロ)
2025年 第76回プラハの春国際音楽コンクール・チェロ部門において、アジア人として初めて優勝を果たし、4つの特別賞を受賞。 第89回日本音楽コンクール第1位、第13回東京音楽コンクール第1位など、数々の賞を受賞している。桐朋学園大学、リスト・フェレンツ音楽大学、ザルツブルク・モーツァルテウム大学にて研鑽を積み、ジャパン・ナショナル・オーケストラのコアメンバーとしても活躍。 オーケストラとの共演やリサイタル、室内楽など、多岐にわたる演奏活動を展開している。
水谷友彦(MIZUTANI Tomohiko/ピアノ)
大阪音楽大学演奏家特別コースを首席で卒業。同大学院修士課程を修了後、渡欧。ハンガリー国立リスト·フェレンツ音楽大学にて研鑽を積む。これまでに、芹澤佳司、横田知子、青柳晋、仲道郁代、芹澤文美、ガーボル・エックハルトの各氏に師事。帰国後はバルトークを中心とした《The Bartók Journey to 2031》プロジェクトに取り組むなど精力的に演奏活動を行っている。また、室内楽奏者としても多くの演奏家と共演を重ねている。2022年4月より大阪音楽大学で非常勤講師として後進の指導にもあたっている。
松井拓史(MATSUI Takushi/レクチャー)
大阪大学大学院文学研究科博士前期課程および博士後期課程修了。博士(文学)。研究対象は、第二次大戦後にソ連および旧東欧地域で設立された国立民俗舞踊団および同時代の芸術活動。論文「ハンガリー国立民俗アンサンブルの東西ツアー:彼らは旅するプロパガンダ集団なのか?」(『フィロカリア』38号、2021年)など。ハンガリー国内で、演奏会のレクチャーや国営放送M1のインタヴュー番組、および私営ラジオ番組に出演。
