公演終了

主催公演

レクチャーコンサート

「ピアノ三重奏の歴史」vol.2
狂乱のベル・エポック~大乱闘フレンチ・コンポーザーズ~

2023 11/25()

15:00開演

ベル・エポック(良き時代)と呼ばれたフランスでは、作曲家たちが理想と現実の狭間で闘っていた…。気鋭の音楽学研究者と最高の若手演奏家による渾身のレクチャーコンサート!

 公演タイトルを見て、きっと「大乱闘」という言葉に驚かれただろうと思います。ベル・エポック(良き時代)と呼ばれる19世紀末から20世紀初頭にかけて、フランスの作曲家たちはなぜ、何を求めて闘っていたのか。そこからどのような作品が生まれたのか。これが今回のテーマです。

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 作曲家たちの「戦場」となったベル・エポックとは、一般的に1871年の普仏戦争終戦から1914年の第一次世界大戦開戦に至る時期の、戦争もなく経済や文化が花開いたフランス社会の特質を言い当てた言葉です。ベル・エポック以前、フランスのコンサート・ホールではベートーヴェンやメンデルスゾーン、ヴァーグナーといったドイツの作曲家の作品がレパートリーの中心を占めていました。ですが、普仏戦争での敗北を機にフランス国内では反ドイツ感情が高まり、フランスの作曲家の活躍、そして「フランスらしい音楽」を求める運動が起きます。サン=サーンスのように徹底的なフランス中心主義を主張した者もいれば、ダンディのようにより柔軟な態度をとった者もおり、どちらかの派閥が残ると新たな勢力があらわれ…というように、作曲家たちはフランス音楽界の行く末をめぐって各所で対立を起こすようになります。演奏会当日はこの「大乱闘」の様子を垣間見ながら、ベル・エポックの初期・中期・末期に関係する3曲のピアノ三重奏曲を聴いていただこうと思います。(松井拓史)

出演

郷古廉(ヴァイオリン)
水野優也(チェロ)
水谷友彦(ピアノ)
松井拓史(レクチャー)

曲目

▼フランク:ピアノ三重奏曲 op.1-2 変ロ長調より 第1楽章

▼ダンディ:ピアノ三重奏曲 第1番 op.29 変ロ長調より 第1・3楽章

▼ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調 全楽章

座席
  • 指定席
料金
発売中

一般/¥3,500
友の会会員/¥3,150)
学生(25歳以下)/¥1,000

 

 

●価格は税込みです。
●学生券はチケットセンターのみのお取り扱いです。
●チケットセンター窓口でキャッシュレス決済をご利用いただけます。
 [クレジットカード、バーコード決済、電子マネー決済]

発売日 2023年07月25日(火)  / 友の会優先予約:7/21(金) / E-PHX優先予約:7/24(月)
主催 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 
あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール
協賛 鹿島建設株式会社
サントリービバレッジソリューション株式会社
問い合わせ先 ザ・フェニックスホールチケットセンター
06-6363-7999 (平日10:00~17:00 / 土日祝 休業)
備考

●未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
●託児サービス有(要申込・有料)
 申込は公演日の1週間前までに下記へご連絡ください。
 (マザーズ Tel: 0120-788-222/月~金10:00-17:00)

 

出演者について

郷古廉(ごうこ・すなお/ヴァイオリン)

 2013年8月ティボール・ヴァルガ シオン国際ヴァイオリン・コンクール優勝ならびに聴衆賞・現代曲賞を受賞。93年生まれ。宮城県多賀城市出身。これまでに勅使河原真実、ゲルハルト・ボッセ、辰巳明子、パヴェル・ヴェルニコフの各氏に師事。使用楽器は1682年製アントニオ・ストラディヴァリ(Banat)。個人の所有者の厚意により貸与される。19年第29回出光音楽賞受賞。NHK交響楽団ゲスト・アシスタント・コンサートマスターを経て、2023年4月よりNHK交響楽団ゲスト・コンサートマスターに就任。

 

 

 

水野優也(みずの・ゆうや/チェロ)

 第89回日本音楽コンクールチェロ部門第1位及び増沢賞、岩谷賞(聴衆賞)、黒栁賞、徳永賞。第13回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞。第31回青山音楽賞新人賞など、多数の賞を受賞。オーケストラとの共演やリサイタルなど、活躍の場を広げている。桐朋学園大学、リスト音楽院を経て、現在はザルツブルク・モーツァルテウム大学にて研鑽を積む。ピアニスト反田恭平氏率いるジャパン・ナショナル・オーケストラ コアメンバー。

 

 

 

水谷友彦(みずたに・ともひこ/ピアノ)

 大阪音楽大学演奏家特別コースを首席で卒業。同大学院修士課程を修了後、渡欧。ハンガリー国立リスト·フェレンツ音楽大学にて研鑽を積む。これまでに、芹澤佳司、横田知子、青柳晋、仲道郁代、芹澤文美、ガーボル・エックハルトの各氏に師事。帰国後はバルトークを中心とした《The Bartók Journey to 2031》プロジェクトに取り組むなど精力的に演奏活動を行っている。また、室内楽奏者としても多くの演奏家と共演を重ねている。2022年4月より大阪音楽大学で非常勤講師として後進の指導にもあたっている。

 

 

 

松井拓史(まつい・たくし/レクチャー)

 大阪大学大学院文学研究科博士前期課程および博士後期課程修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD。研究対象は、第二次大戦後にソ連および旧東欧地域で設立された国立民俗舞踊団および同時代の芸術活動。論文「ハンガリー国立民俗アンサンブルの東西ツアー:彼らは旅するプロパガンダ集団なのか?」(『フィロカリア』38号、2021年)など。ハンガリー国内で、演奏会のレクチャーや国営放送M1のインタヴュー番組、および私営ラジオ番組に出演。