完売につき当日券はございません。

終演時刻は17:20頃を予定しています。

公演終了

主催公演

フィリップ・グラス「浜辺のアインシュタイン」(演奏会形式・抜粋版)

2022 10/30()

15:00開演

ミニマル音楽の金字塔、日本で30年ぶりの再演!

ミニマル音楽の伝説的な作品であり、まさに金字塔ともいえるフィリップ・グラス作曲「浜辺のアインシュタイン」を日本で約30年ぶりに演奏会形式(抜粋版)で再演します。フィリップ・グラス(1937-)はアメリカを代表する作曲家で、交響曲、オペラ、室内楽など様々なジャンルを手掛けながら、ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞作曲賞を受賞するなど、映画音楽の分野でも高い評価を受けています。その影響力は絶大でクラシック音楽のみならずロックやテクノなどポピュラー音楽にまで及んでいます。

「浜辺のアインシュタイン」は舞台演出家のロバート・ウィルソンと共に創られ、1976年フランスのアヴィニョン演劇祭で初演されました。その後、世界中で上演されるほどの人気作となり、日本では1992年東京で初演されています。そのあまりにも斬新な舞台はイメージの演劇と評され、音楽のみならず、演劇、美術、ダンスなどあらゆる方面から注目されました。

本作品に明確な物語はありません。同じ動きが繰り返されるダンスと同じ音型が繰り返される音楽が一体となり、観客の視覚と聴覚を揺さぶります。それは動く絵画を永遠に見続けているようで、やがては時間の感覚が溶解し、作品世界と一体化してしまうような不思議な恍惚を覚えるかのようです。本作品が生まれたのは1970年代、アメリカではヒッピー・ムーヴメントやサイケデリック・アートが若者文化を席巻している時代でした。そうした時代の空気感を内包している作品であるとも言えるでしょう。

日本においての「浜辺のアインシュタイン」は、舞台作品としてよりもCDなど音楽面から触れた人も多いのではないかと思います。本作品は20世紀音楽でありながら不協和音的な音は一切使われておらず、テクノミュージックのような電子オルガンの音が洪水のように押し寄せる中、その上を無機質な合唱が早口で駆け抜けるように響きます。歌詞は言葉ではなく、全てがOne(ワン)、Two(ツー)、Three(スリー)…、といった数字とDo(ド)、Re(レ)、Mi(ミ)…といった音階で構成されており、非常に独特でスタイリッシュな音楽となっています。

現代においては、コンピュータ等ですぐに作れてしまうような音楽かもしれません。しかしこの作品は自動演奏の類は一切使われておらず、人の手と人の声によって編み上げる“人力テクノミュージック”ともいえる音楽です。さらには、繰り返されるフレーズも小節ごとに拍子が変わっていく超絶変拍子作品であり、これが他の曲にはない独特のグルーヴを生み出します。機械では絶対に表現できないスリリングな演奏をお楽しみいただけたらと思います。

今回は演奏会形式での上演となりますが、音楽のみに集中し室内楽的に濃密なアプローチを試みます。演奏は2年前に当ホールで開催したオール・スティーヴ・ライヒ・コンサートの中心メンバーであった中川賢一氏を音楽監督に迎え、グラス作品に精通した最高のメンバーに集まっていただきました。これまでにない「浜辺のアインシュタイン」が生まれることは間違いありません。30年振りに蘇る21世紀版「浜辺のアインシュタイン」にご期待ください。

(あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール 宮地泰史)

出演

中川賢一(電子オルガン/音楽監督)
廻由美子(電子オルガン)
石上真由子(ヴァイオリン)
若林かをり(フルート/ピッコロ)
大石将紀(サクソフォン)
井上ハルカ(サクソフォン)
太田真紀(ソプラノ)
端山梨奈(ソプラノ)
八木寿子(アルト)
林真衣(アルト)
鹿岡晃紀(テノール)
松平敬(バス)
有馬純寿(音響)

曲目

▼フィリップ・グラス:「浜辺のアインシュタイン」(演奏会形式・抜粋版)

座席
  • 指定席
料金
販売終了

一般/¥4,000(友の会会員/¥3,600)
学生(25歳以下)/¥1,000(限定数)

 

・学生券は当ホールチケットセンターのみ取扱い
・未就学児童の入場はご遠慮いただいております
・キャッシュレス決済ご利用可[クレジットカード、スマホ決済、ICOCA等]
 ※対象公演はホール主催公演のみ
 ※チケットセンター窓口のみ

チケットは予定枚数に達したため販売を終了いたします。
なお、満席につき当日券の販売はございません。【10/18更新】

 

 

発売日 2022年05月24日(火)
主催 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 
あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール
協賛 鹿島建設株式会社
サントリービバレッジソリューション株式会社
助成 大阪市芸術活動振興事業助成金
問い合わせ先 ザ・フェニックスホールチケットセンター
06-6363-7999 (平日10:00~17:00 / 土日祝 休業)
備考

出演者について

中川 賢一(なかがわ・けんいち/ 電子オルガン・音楽監督)
桐朋学園大学音楽学部でピアノと指揮を学び、卒業後、ベルギーのアントワープ音楽院ピアノ科を首席修了。在学中にフォルテピアノ、チェンバロも習得。1997年オランダのガウデアムス国際現代音楽コンクール第3位。帰国後は、ソロ、室内楽、指揮で活躍する他、国内外の様々な音楽祭に出演。武生国際音楽際には2001年からほぼ毎年参加。NHK-FM、NHKクラシック倶楽部などに度々出演、新曲初演多数。ダンスや朗読など他分野とのコラボレーションも活発。ピアノ演奏とトークを交えたアナリーゼ等も展開。クラングフォルムウィーン、ムジークファブリーク、アンサンブルルシェルシュ、アルテルエゴなどを指揮、アルディッティカルテットやバーバラ・ハンニガン、イエルーン・ベルワルツ等と共演する他、アンサンブ・モデルンとのコラボレーションは話題を呼んだ。現代音楽アンサンブル「アンサンブル・ノマド」のピアニスト、指揮者。お茶の水女子大学、 桐朋学園大学音楽学部非常勤講師。 http://www.nakagawakenichi.jp

 

 

 

廻 由美子(めぐり・ゆみこ/ピアノ)
桐朋学園大学ピアノ科を卒業後、渡米しインディアナ大学音楽学部で学ぶ。帰国後、活発なる演奏活動を展開。自由な表現力、生命感溢れるリズム感は圧倒的で、他ジャンルからのオファーも多く、ジャズ、ロック、民謡、演劇、ダンス等とのコラボも多数。国内外で20枚以上に及ぶCDをリリース、多くが「レコード芸術」誌上で「特選盤」に選ばれる。ドイツ、カナダ、イタリア、台湾などの現代音楽祭に招聘されており、海外の作曲家や演奏家からの信頼も厚い。現在、桐朋学園大学音楽学部教授。「新しい耳」テッセラ音楽祭主宰

 

 

石上真由子(いしがみ・まゆこ/ヴァイオリン)
日本音楽コンクール等、国内外のコンクールで優勝・受賞多数。海外の音楽祭にも多数出演。長岡京室内アンサンブル、アンサンブル九条山メンバー。Ensemble Amoibeシリーズ主宰。Music Dialogue、CHANEL Pygmalion Days室内楽、京都コンサートホール、公共ホール活性化事業登録アーティスト。令和元年度 京都市芸術新人賞、音楽クリティック・クラブ賞、大阪文化祭賞、第29回青山音楽賞 青山賞受賞。日本コロムビアよりCD「ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ」好評発売中。

 

 

若林かをり(わかばやし・かをり/フルート・ピッコロ)
東京藝術大学音楽学部卒業。ストラスブール音楽院、スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院修了。修了論文は『日本文化…時間と空間の総括概念である“間”が、ヨーロッパの現代音楽にもたらした影響について』。
第72回文化庁芸術祭賞 音楽部門 新人賞、現代音楽演奏コンクール“競楽 Ⅹ”第2位ほか受賞多数。アンサンブル九条山として、音楽クリティック・クラブ賞奨励賞、令和元年度 大阪文化祭奨励賞を受賞。2017年文化庁新進芸術家海外研修員。コジマ録音よりCDサルヴァトーレ・シャリーノ作曲フルート独奏のための作品集「Lux in Tenebris」をリリース。

 

 

大石将紀(おおいし・まさのり/サクソフォン)
サクソフォン奏者としてクラシック音楽、特に現代音楽のジャンルで活躍し、これまでに数々の日本初演を手がける。東京藝術大学卒業、同大学大学院修了後、03年に渡仏しパリ国立高等音楽院に入学。サクソフォン科、室内楽科、即興演奏科を全て最優秀の成績で卒業後、08年帰国。その後は国内を初めヨーロッパやアジアにおいても音楽祭に出演したり、リサイタルを開催している。第13回佐治敬三賞、令和元年度文化庁芸術祭レコード部門優秀賞受賞。現在大阪音楽大学特任准教授、東京藝術大学、洗足学園音楽大学講師、エリザベト音楽大学特別講師。www.m-oishi.com

 

 

井上ハルカ(いのうえ・はるか/サクソフォン)
ESA音楽学院、リヨン地方音楽院、パリ国立高等音楽院を修了。ブーローニュ・ビヤンクール現代音楽コンクール2014にて審査員特別賞(部門最高位)、現代音楽演奏コンクール《競楽XII》にて聴衆賞を受賞。現在は関西を拠点に後進の指導と、現代音楽や非オリジナル作品を通じて新たなサクソフォンのレパートリーの開拓を行なっている。インペトゥス・サクソフォン・アンサンブル、デュオ・メルツ各メンバー。『SONATE』レコード芸術準特選盤。配信アルバム『Rachmaninov』発売中。ESA音楽学院専門学校非常勤講師。

 

 

太田真紀(おおた・まき/ソプラノ)
同志社女子大学学芸学部声楽専攻卒業。同大学音楽学会《頌啓会》特別専修生修了。大阪音楽大学大学院歌曲研究室修了。東京混声合唱団に所属した後、文化庁新進芸術家海外研修制度にてローマに滞在。コジマ録音より「松平頼曉声楽作品集」を発売(レコード芸術特選盤)。アンサンブル九条山のメンバーとして、音楽クリティック・クラブ賞奨励賞、大阪文化祭賞奨励賞を受賞。ギタリスト山田岳氏との企画において令和3年度文化庁芸術祭大賞受賞。現在、神戸大学国際人間科学部、和歌山大学教育学部非常勤講師。

 

 

端山梨奈(はやま・りな/ソプラノ)
大阪音楽大学卒業、京都市立芸術大学大学院を首席で修了。大学院賞を受賞。「フィガロの結婚」スザンナ、「魔笛」夜の女王、「ラ・ボエーム」ムゼッタなど多数のオペラに出演。管弦楽曲ではベートーヴェン作曲「ミサ・ソレムニス」、ブラームス作曲「ドイツ・レクイエム」、フォーレ作曲「レクイエム」などのソプラノソリストとしても活躍。NHK-FM「名曲リサイタル」、NHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」などに出演。2009年より神戸市混声合唱団に所属し、現在ソプラノパートリーダーを務めている。日本センチュリー合唱団ヴォイストレーナー。

 

 

八木寿子(やぎ・ひさこ/アルト)
福岡教育大学卒業、京都市立芸術大学大学院を首席修了。日本音楽コンクール入選、友愛ドイツ歌曲コンクール第1位、東京音楽コンクール第1位など受賞多数。日生劇場「ヘンゼルとグレーテル」、びわ湖ホール「ジークフリート」「神々の黄昏」「ローエングリン」などのオペラに、また、モーツァルト「レクイエム」、ベートーヴェン「第九」などの多くのオーケストラ作品にてソリストをつとめ、音楽誌などで高い評価を得ている。NHK-FM「リサイタル・パッシオ」に出演、「印象に残る演奏」として再度取り上げられた。京都女子大学非常勤講師。

 

 

林真衣(はやし・まい/アルト)
兵庫県立宝塚北高等学校 演劇科卒業。大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コース、同大学院芸術文化専攻音楽研究コース卒業。 第26回日本クラシック音楽コンクール全国大会5位入賞。2017年夏にウィーン国立音楽大学にてディプロマを取得。これまでにマーラーの《交響曲第2番》、ベートーヴェンの《交響曲第9番》アルトソリストを務める。オペラでは昨年12月に姫路で行われた「千姫」にて、芥田四左衛門役として出演。現在、神戸市混声合唱団団員。声楽を池田香織氏、淵脇和範氏、橋本俊詔氏に師事。

 

 

鹿岡晃紀 (しかおか・あきのり/テノール)
吹田市出身。大阪音楽大学声楽学科卒業。各地でのソロリサイタルをはじめ、モーツァルト4大オペラ等のオペラ作品に出演。宗教曲ではJ.S.バッハ「ヨハネ受難曲」「クリスマスオラトリオ」福音史家、「マタイ受難曲」「マニフィカト」ヘンデル「メサイア」「エジプトのイスラエル人」モーツァルト「レクイエム」「戴冠ミサ」ベートーヴェン「第九」「ミサ・ソレムニス」等のソリストとして出演。緑地公園駅すぐの音楽教室 令和音楽院 代表・声楽講師。神戸市混声合唱団団員。日本テレマン協会ソリスト。ひらの混声合唱団、守口市更生保護女性会コーラス各指導者。

 

 

松平敬(まつだいら・たかし/バス)
東京藝術大学卒業、同大学院修了。現代声楽曲のスペシャリストとして、湯浅譲二、西村朗など150作以上の新作を初演。シュトックハウゼン、クセナキスなどの演奏至難な作品もレパートリーに持つ。サントリーホール・サマーフェスティバル、新国立劇場などに出演。ソロCDとして3枚のアルバムを、チューバの橋本晋哉氏とのユニット「低音デュオ」名義としても2枚のCDを発表。2019年には著書『シュトックハウゼンのすべて』を出版。平成22年度文化庁芸術祭優秀賞、第32回、第34回ミュージック・ペンクラブ音楽賞を受賞。

 

 

有馬純寿(ありま・すみひさ/音響)
1965年生まれ。エレクトロニクスやコンピュータを用いた音響表現を中心に、現代音楽、即興演奏などジャンルを横断する活動を展開。これまでに数多くの演奏会で電子音響の演奏や音響技術を手がけ高い評価を得ている。第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞芸術振興部門受賞。2012年より国内外の現代音楽シーンで活躍する演奏家たちとアンサンブル「東京現音計画」を開始、第1回公演が第13回佐治敬三賞を受賞。また実験的な音楽家とのセッションや美術家とのコラボレーションも多い。現在、帝塚山学院大学リベラルアーツ学科准教授。京都市立芸術大学非常勤講師。