12月8日(土)午後 「真実の響き」フルート公演で〝デビュー〟
耳目で楽しむ、名器の妙 修復の山本宣夫さんが語る、いにしえの音色
掲載日:2012年11月9日
12月8日(土)16:00開演(15:20~プレトーク)、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールが開く企画「真実の響き-18・19世紀フルートリサイタル 榎田雅祥(フルート)&上野真(フォルテピアノ)」公演。ヨーロッパの宮廷やサロンで使われたフルートの音色で、普段聞きなれたフルートの音色を問い直すコンサートだ。この公演のもう一つの聴きどころは、伴奏に使われる鍵盤楽器。「フォルテピアノ」と呼ばれるピアノの前身の古楽器を2台使用する。中でも1900年頃にウィーンで作られたとみられる「ベーゼンドルファー」は、優美・華麗な音色と、黄金の装飾を楽器全体に散りばめたきらびやかなデザインが特徴。あのニューイヤーコンサートでお馴染みの、柔らかな「ウィンナトーン」が、この日は鍵盤で紡がれる。いにしえの楽器を確保・修復・復元し、今公演に提供して下さる山本宣夫さん(フォルテピアノ・ヤマモトコレクション代表=大阪府 堺市)に、楽器にまつわるお話を伺った。
Q フォルテピアノを修復する意義は?
今公演で使用されるベーゼンドルファー(1900年頃、ウィーン)
Q かつて、山本さんはウィーンのベーゼンドルファー社で修業をされていますね。
どんなメーカーですか。
1999年 山本宣夫修復
Q そんなベーゼンドルファーが1900年頃に生んだと考えられているこの楽器。特徴はどこに。
Q どのように入手、修復をされたのですか。
Q 今回の演奏会の聴きどころは。
山本宣夫(やまもと・のぶお)
1966年からピアノの製造、修理に携わる。1983年ウィーンのベーゼンドルファー社で研修。その後、オーストリア・ウィーン芸術史博物館の専属修復師に就任。以後、毎年同博物館で修復に携わる。1998年フォルテピアノ・ヤマモトコレクションのためのホール「スペース クリストーフォリ 堺」をオープン。1999年バルトロメオ・クリストーフォリピアノ(1726年製)の復元楽器を制作。この復元楽器が2000年ユーロピアノ・コングレス(イタリア)に招待され、コンサート・展示が行われた。それに引き続きオーストリア・ウィーン芸術史博物館において2ケ月間一般公開され、コンサートも行われて話題となった。ザ・フェニックスホールでは、2003年から2005年にかけてのレクチャーコンサートシリーズ、「ピアノはいつピアノになったか」公演で数多くのフォルテピアノを提供した。
2012年12月8日(土)16:00開演。榎田雅祥、上野真の出演でバッハ「フルートソナタ ニ長調 BWV1028」、テルシャック「ソナタ 第3番 作品175」、ベーム「グランドポロネーズ 作品16a」ほか。公演に先立つ15:20から、榎田氏によるプレトークも。入場料3,000円(指定席)学生券1,000円(限定数。ザ・フェニックスホールチケットセンターのみのお取り扱い)。
チケットのお申し込みはザ・フェニックスホールチケットセンター
TEL 06-6363-7999(土・日・祝日を除く平日の10時~17時)